『とやまるっと』編集室です。
2月は一年の中でも寒さがもっとも厳しい時期です。北陸では大雪や寒波による交通麻痺、停電、断水など、生活に直結するトラブルが毎年のように発生しています。
特に高齢者や在宅介護の場、福祉施設では、冬の災害は命に関わるリスクになります。富山県内でも、2021年・2023年の大雪による孤立や停電被害が大きな課題となりました。
今回は、冬の災害時に介護者・家族・施設が備えておきたいポイントをまとめます。
1. 冬に起こりやすい災害と介護への影響
富山県は積雪地域であり、冬は生活に大きな影響が出やすい季節です。近年では、想定を超える大雪や寒波が続き、交通網の寸断や停電が各地で発生しました。
● 停電
停電は暖房停止・通信障害・医療機器の停止につながり、高齢者の体調悪化リスクが一気に高まります。特に酸素濃縮器や電動ベッドなど、在宅でも多くの機器が電力に依存しています。
● 断水
断水するとトイレ、入浴、食事づくりが困難になり、衛生環境が悪化します。冬場は感染症のリスクも高まっており、備えが肝心です。
● 大雪による孤立
道路が使えなくなると、訪問介護や訪問看護が入れない、家族が駆けつけられないなど、在宅ケアが途絶えてしまうことがあります。富山県内でも山間部を中心に孤立事例が報告されました。
こうした災害は
「突然起きる」だけでなく、「しばらく続く」点が問題です。1日〜2日の停止でも介護が必要な人には大きな影響が出ます。
2. 在宅介護で備えておきたいこと
在宅介護では、災害時に必ず必要になるものを事前に準備しておくことが重要です。ここでは富山県の福祉・防災担当者が推奨するポイントも踏まえて紹介します。
① 3日分以上の備蓄
水(1人1日3リットル)、レトルト食品、介護食、とろみ剤、オムツ、衛生用品、カイロなど。寒冷地では毛布・防寒具も必須です。
② 医療機器の電源確保
酸素濃縮器・吸引器などを使用している場合、ポータブル電源やバッテリーの準備が推奨されています。医師や訪問看護師に「停電時の対応」を事前に確認しておきましょう。
③ 連絡体制をつくる
家族・ケアマネ・訪問介護事業所と「誰に・いつ・どの情報を伝えるか」を決めておくと安心です。富山県では地域包括支援センターが緊急時の相談窓口となります。
④ 雪害による“閉じこもり”への対策
大雪が続くと外出が難しくなり、フレイルや認知症の悪化につながるケースもあります。電話での声かけ・オンライン面会なども活用しましょう。
3. 施設が考えるべきBCP(業務継続計画)と富山の取り組み
2024年度から、すべての介護施設・事業所にBCP(業務継続計画)の策定が義務化されました。冬の災害はBCPの実効性を試す場ともいえます。
富山県は全国に先駆けて、福祉施設のBCP策定支援や研修を推進しており、県社会福祉協議会と連携した「災害福祉支援ネットワーク」が整備されています。
● 施設で確認したいポイント
- 停電時の暖房・照明・非常電源の確保
- 職員の出勤が難しい場合の最低限の運営体制
- 利用者の移動・避難計画
- 近隣施設・地域包括との連携ルート
冬の災害は「いつか起こる」ではなく「毎年起こりうるもの」。BCPを「作っただけ」にせず、冬の前に必ず見直したいポイントです。
まとめ
冬の災害は、介護が必要な人にとって大きな脅威です。
しかし、事前の備えや地域の連携があれば、命を守ることができます。
個人では「備蓄・電源・連絡体制」、施設では「BCPの実効性」、地域では「見守りと情報共有」。
富山の冬を安全に乗り切るために、今のうちからできることを準備していきましょう。
参考URL
・富山県「福祉施設におけるBCP策定支援」:
https://www.pref.toyama.jp/
・厚生労働省「介護サービス事業者のBCP義務化について」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196057.html

















