『とやまるっと』編集室です。
今回の選挙で、最低賃金1500円というワードが散見されました。
最低賃金があがると、労働者にとっては嬉しいことがある反面、事業所の運営サイドからは悲鳴も聞かれます。
今回は本内容について記事にしました!!
ぜひ参考にしてください!
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1. 最低賃金上昇に伴う問題点
最低賃金があがることに問題点なんてないだろと思われる方もおられるかもしれません。
もちろん労働者視点で言うとそうかもしれませんが、運営側の視点でいくといくつか懸念点があります。
一つは、人件費の問題です。
最低賃金の上昇により、介護事業所の経営コストが上昇します。
多くの介護事業所は既に利益率が低く、収益構造が脆弱であるため、コストの上昇は経営の圧迫要因となります。
なら、介護事業所の売り上げをあげればいいじゃないかという声も聞こえてきますが、最低賃金の上昇と介護保険制度の見直しが行われるペースとの間にあるギャップがあり、簡単ではありません。
介護保険制度が数年に一度しか見直されない一方で、最低賃金の上昇が頻繁に行われる現状では、事業所の売り上げを急に伸ばすと言うのは困難です。
二つ目は、103万円の壁問題です。
この壁を越えないために、
労働時間を制限しているパートタイム労働者の場合、最低賃金があがると労働時間をさらに削減するしかありません。そうなるとただでさえ人材不足の介護業界が、もっと人手不足になる可能性があります。
2.これまでの対応
政府はこれまで、最低賃金の上昇と介護保険制度の見直しが行われるペースとの間にあるギャップ問題に対して、
助成金という形でサポートをしてきました。
介護事業所で使用される「介護職員処遇改善支援補助金」は、最低賃金の上昇に対応し、介護職員の待遇を改善するために設けられた補助金です。これは、特に2021年からのコロナ禍での負担軽減を目的とし、処遇改善加算などの既存制度とは別に、介護職員の賃金改善を支援するための一時的な支援措置として導入されました。
こうした助成金は、介護事業所が最低賃金の引き上げに対応しやすくするための重要なサポートであり、事業所の財政的負担を軽減しつつ、介護職員の賃金や労働環境を改善する目的で使用されています。
しかし、この国からの助成金の支払いにも数ヶ月のギャップがあり、収益構造が脆弱な事業所では資金繰りが持たないというケースも出る可能性があります。
3. 今後の展望
最低賃金の上昇は、介護業界にとって賃金改善を進める大きなチャンスである一方、事業所の経営を圧迫する要因にもなります。
このバランスを保ちながら、事業所が持続可能な運営を行うためには、助成金や補助金に頼るだけでなく、長期的な改革が不可欠です。
政策の見直しと共に、介護事業所は効率化や働きやすい環境づくりを進め、職員の待遇改善を進めていく必要があります。
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