『とやまるっと』編集室です。
高齢者施設において、入所者の行方不明(いわゆる「徘徊」)は、命に関わる重大なリスクです。
特に認知症を抱える利用者が増える中で、この問題はどの施設でも無視できない現実となっています。
行方不明が発生したとき、「まさかうちの施設で」という声が聞かれることがあります。
しかし、認知症のある方にとっては、突然の外出や道に迷うといった行動は珍しくありません。
だからこそ、「起こりうる前提」で備える必要があります。
ぜひ参考にしてください!
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1. 普段からできる備え
行方不明への対策は、何か特別な設備
だけに頼るものではなく、日々の業務の中でいかにリスクを意識しておけるかにかかっています。
たとえば、施設の出入口には警報機やオートロックを設けることも一つの対策です。しかし、それ以上に重要なのは、利用者一人ひとりの行動傾向を職員が把握し、特にリスクの高い時間帯や状況で注意を強めることです。
また、顔写真や服装、普段使っている持ち物などを定期的に記録しておくことで、万が一の際にも迅速に警察や関係機関へ情報提供が可能になります。
最近では、GPS機能付きの靴やブレスレットなど、ICTを活用した見守り機器も活用されつつあり、これらを導入することで早期発見に繋がるケースも増えてきています。
2. 職員間・家族との「事前の話し合い」がカギ
施設内だけでなく、職員間や家族との連携も非常に重要です。
リスクのある利用者については、定期的なカンファレンスなどで情報を共有し、行動傾向や対応方針を職員全体で把握しておくことが求められます。
加えて、家族との話し合いも欠かせません。
施設での見守りに限界があること、そして万が一の際にどのような連絡体制を取るかを事前に確認しておくことで、いざというときの対応がスムーズになります。
また、家族と一緒にGPS機器の導入を検討するなど、具体的な対策に進むことも大切です。
3. 実際に発生したときの初動対応
行方不明が発生した場合は、一刻も早い初動対応が求められます。
まずは施設周辺を全職員で確認しながら、すぐに警察へ通報します。
その際には、顔写真や服装、行動履歴などの情報を迅速に伝える必要があります。
さらに、発生からの経過や対応を記録し、家族や関係者へ報告する体制も整えておくことが大切です。
最後に:責めるより、備えることを
行方不明は、どれだけ注意していても完全には防げないリスクです。
だからこそ、
責任の所在を追及するのではなく、日頃からの備えやチームとしての対応力を高めることが最も大切です。
命を守るために、そしてご本人とご家族が安心して生活を送るために、日々の意識と対話を重ねていきましょう。
施設全体で備えを共有することが、最も確実な「安全対策」となるのです。
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