『とやまるっと』編集室です。
6月から7月にかけて気温と湿度が上がってくると、介護現場では利用者だけでなく、職員の体調管理も大きな課題になります。
入浴介助、送迎、移乗介助、夜勤など、介護の仕事は体力を使う場面が多く、暑さが加わることで疲労が一気にたまりやすくなります。
「なんとなくだるい」「集中力が続かない」「休んでも疲れが抜けない」といった状態が続くと、職員自身の健康だけでなく、ケアの質や事故予防にも影響します。
今回は、夏を迎える前に見直したい、介護現場の夏バテ対策とシフト運営のポイントを整理します。
1. 介護職が夏に疲れやすい理由
介護職は、日常的に身体への負担が大きい仕事です。移乗介助や排泄介助、入浴介助など、利用者の身体を支える場面が多く、夏場はそこに暑さと湿度が加わります。
特に入浴介助は、浴室内の温度と湿度が高くなりやすく、短時間でも体力を消耗します。マスクやエプロン、手袋などを着用していると熱がこもりやすく、本人が気づかないうちに脱水や熱中症に近い状態になることもあります。
また、送迎業務も注意が必要です。車内の温度差、乗降介助、雨の日や真夏日の移動などが重なると、思った以上に体力を使います。夜勤明けの職員が暑い時間帯に帰宅する場合も、疲労が強く出ることがあります。
夏バテは、単に「暑くて疲れる」というだけではありません。睡眠の質の低下、食欲低下、水分不足、疲労の蓄積が重なることで、集中力や判断力にも影響します。介護現場では、職員の不調がそのままヒヤリハットにつながることもあるため、早めの対策が大切です。
2. 職員の体調を守る現場の工夫
夏場の体調管理で大切なのは、「個人の自己管理」に任せきりにしないことです。もちろん、水分補給や睡眠、食事は本人の意識も重要ですが、現場全体で体調を守る仕組みをつくることが欠かせません。
まず見直したいのは、水分補給のタイミングです。忙しい現場では、利用者の水分量には注意していても、職員自身が水分をとる時間を逃してしまうことがあります。休憩時間だけでなく、入浴介助の前後、送迎後、排泄介助が続いた後など、業務の区切りごとに水分をとれる雰囲気をつくることが大切です。
次に、休憩の取り方です。長時間まとめて休むことが難しい現場でも、短い休憩をこまめに挟むことで、疲労の蓄積を減らせます。特に入浴介助や送迎など暑さの影響を受けやすい業務の後は、数分でも涼しい場所で体を休める時間を確保したいところです。
また、管理者やリーダーは、職員の表情や動きにも目を向ける必要があります。普段より口数が少ない、動作が遅い、ミスが増えている、顔色が悪いといった変化は、疲労や体調不良のサインかもしれません。
「大丈夫?」と声をかけ合える空気があるだけでも、体調不良の早期発見につながります。
3. 夏を乗り切るためのシフト運営
夏場のシフト運営では、単に人員を埋めるだけでなく、業務負担の偏りを防ぐ視点が重要です。
例えば、入浴介助や送迎、夜勤が特定の職員に集中していないかを確認することが大切です。体力のある職員に頼りすぎると、その職員の疲労が蓄積し、結果的に離職や体調不良につながることがあります。
また、夜勤明けや連勤後に負荷の高い業務が続かないようにするなど、シフト全体の流れを見直すことも有効です。特に夏場は、同じ勤務時間でも身体への負担が大きくなるため、「普段と同じ配置だから大丈夫」と考えない方がよいでしょう。
新人や経験の浅い職員に対しては、夏場特有の注意点を早めに共有しておくことも大切です。熱中症のサイン、入浴介助中の休憩の取り方、送迎時の車内温度管理など、現場で起こりやすい場面を具体的に伝えておくと安心です。
さらに、職員が体調不良を言い出しやすい職場づくりも欠かせません。「休むと迷惑がかかる」という空気が強すぎると、無理をして出勤し、かえって現場全体のリスクが高まります。
夏のシフト運営では、“休める体制をつくること”も安全管理の一部として考える必要があります。
まとめ
夏の介護現場では、利用者の熱中症対策と同じくらい、職員の夏バテ対策も重要です。
入浴介助や送迎、夜勤などの負担が重なる中で、職員が無理を続けると、体調不良だけでなく、ケアの質や事故予防にも影響します。
水分補給、休憩、声かけ、業務負担の分散、休みやすいシフトづくり。こうした小さな工夫の積み重ねが、夏を乗り切る現場の力になります。
本格的な暑さを迎える前に、職員が安心して働ける環境を整えていきましょう。

















