『とやまるっと』編集室です。
毎年のように発生する記録的な大雨や線状降水帯。
特に要介護高齢者を預かる介護施設では、「いざというとき」の備えが、生死を分ける要素になり得ます。
避難指示(警戒レベル3〜5)が出された際、混乱せず、迅速に対応するためには、平時からの準備がなにより重要です。
この記事では、実際の事例を簡単に紹介しながら、介護現場で実践しておきたい災害時対応の備えを解説します。
ぜひ参考にしてください!
----------------------------------------------------------------------------
1. 事例:大雨による避難情報に備えた介護施設の対応
ある中規模の特別養護老人ホームでは、近隣の河川が氾濫危険水位に達し、自治体から高齢者等避難の指示が出ました。
施設では、事前に策定していたマニュアルに沿い、
・2階への垂直避難(移動が困難な方はストレッチャーや車椅子ごと)
・非常食・簡易トイレの使用
・看護師が医療機器と入居者の健康状態を個別に確認
といった対応を行い、外部避難をせず施設内で安全を確保しました。
大事に至ることはありませんでしたが、
「避難所に行かず、施設内で避難できる準備」
が鍵になりました。
2. 大雨・水害に備えて介護施設でやっておきたい備え
1. 避難マニュアルの整備と更新
・避難レベルごと(レベル3〜5)に、施設内対応・外部避難の手順を明記
・日中・夜間、職員人数が少ない時間帯を想定した対応も含める
2. 定期的な避難訓練の実施
・少なくとも年2回(できれば昼夜で1回ずつ)
・利用者役を職員が演じて、実際の動線・時間・リスクを検証
・新人職員も巻き込んで、「だれが何をするか」が分かるように
3. 防災用品・備蓄品のチェック
・3日分を目安に、非常食(おかゆ・ゼリー・水)や紙おむつ、簡易トイレを確保
・予備バッテリー(酸素濃縮器・吸引器など医療機器用)も忘れずに
・懐中電灯、ヘッドライト、モバイル充電器も職員用に準備
4. 情報収集と連絡体制の整備
・職員用LINEグループやメール一斉送信システムを活用
・自治体のハザードマップ、防災メール、気象庁の警報情報は定期チェック
・家族への連絡文テンプレートも事前に準備(混乱時でも冷静に連絡)
5. 家族との連携
・「避難情報が出た場合、どう行動するか」を事前に説明
・面会時などに、施設の災害対応をわかりやすく伝えておくことで信頼感を得る
3. 備えがあれば、混乱しない
高齢者は避難行動が遅れがちで、災害弱者とも呼ばれます。
その命を預かる私たち施設職員は、「想定内の行動」を積み重ねることで、いざというときの混乱を最小限に抑えることができます。
大雨・洪水・地震は待ってはくれません。
「今できる備え」を一つずつ、確実に。それが、入居者とご家族の安心につながります。
情報提供募集!
富山の高齢者・家族・介護者に役立つ情報ポータルサイト『とやまるっと』では、
皆様からの情報提供お待ちしています。
詳しくは、情報提供ページ をご覧ください。
情報お待ちしております!!!
みなさまからの情報で、『とやまるっと』は、育っています。