『とやまるっと』編集室です。
6月から7月にかけては、梅雨の湿気と夏の暑さが重なる時期です。気温が急に上がる日も多く、高齢者にとっては熱中症や脱水に注意が必要な季節になります。
熱中症というと炎天下の屋外を思い浮かべがちですが、実際には室内でも起こります。特に高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくく、気づかないうちに水分不足が進むことがあります。
今回は、梅雨から夏にかけて家族や介護職が気をつけたい、室内の熱中症と“隠れ脱水”への備えを整理します。
1. なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか
高齢者は、若い世代に比べて体内の水分量が少なく、暑さを感じる感覚も鈍くなりやすいと言われています。そのため、本人が「まだ大丈夫」と思っていても、実際には体の中で熱がこもり、水分が不足していることがあります。
厚生労働省も、熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者であり、暑さや水分不足に対する感覚機能、体温調節機能の低下に注意が必要だとしています。
また、6月から7月は体がまだ暑さに慣れていない時期です。真夏ほど気温が高くなくても、湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくくなります。梅雨明け前後の急な暑さは、特に注意したいタイミングです。
「暑く感じていないから大丈夫」ではなく、「暑く感じにくいからこそ注意する」という視点が大切です。
2. 室内で進む“隠れ脱水”に注意
熱中症は屋外だけでなく、室内でも起こります。特に高齢者の暮らす部屋では、エアコンを使うことを遠慮したり、窓を閉め切ったまま過ごしたりすることで、室温や湿度が上がってしまうことがあります。
また、「トイレが近くなるから」と水分を控える方も少なくありません。しかし、水分を控えすぎると、脱水だけでなく便秘、食欲低下、ふらつき、意識のぼんやり感につながることがあります。
“隠れ脱水”は、はっきりした症状が出る前から進みます。口の中が乾いている、尿の色が濃い、いつもより元気がない、立ち上がるとふらつく、食事量が減っている――こうした小さな変化は、水分不足のサインかもしれません。
特に、認知症のある方や一人暮らしの高齢者では、自分から不調を訴えにくいこともあります。家族や介護職が、生活の様子から早めに気づくことが重要です。
3. 家族と介護現場でできる予防策
熱中症と脱水を防ぐためには、特別な対策よりも、毎日の小さな習慣が大切です。
まず意識したいのは、室温の確認です。感覚だけに頼らず、温度計や湿度計を見える場所に置き、室内環境を確認できるようにしましょう。エアコンや扇風機を上手に使い、暑さを我慢しないことが大切です。厚生労働省も、屋内ではエアコンなどで温度を調整し、室温をこまめに確認することを呼びかけています。
次に、こまめな水分補給です。のどが渇いてから飲むのではなく、起床時、食事時、入浴前後、就寝前など、時間を決めて少しずつ飲むようにすると続けやすくなります。水やお茶だけでなく、味噌汁やスープ、果物なども水分補給の助けになります。
ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限がある方は、自己判断で水分量を増やさず、主治医や訪問看護師に確認することが必要です。
介護現場では、記録の中で「水分摂取量」「食事量」「尿の回数」「表情や活気」を確認することが予防につながります。小さな変化をチームで共有し、早めに対応することが、重症化を防ぐポイントです。
まとめ
6月から7月は、梅雨の湿気と急な暑さで、高齢者の熱中症リスクが高まる時期です。
特に室内での“隠れ脱水”は気づきにくく、家族や介護職の見守りが大切になります。
室温を確認する、水分をこまめにとる、体調の小さな変化を見逃さない。こうした日々の積み重ねが、夏を安全に過ごす力になります。
暑さが本格化する前に、家庭でも介護現場でも、熱中症対策を見直しておきましょう。
参考URL
・厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」:
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html
・厚生労働省「熱中症が疑われる人を見かけたら」:
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/happen.html
・環境省「熱中症予防情報サイト」:
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php

















