【認知症とともに暮らす地域へ】9月に考えたい見守りと声かけ

『とやまるっと』編集室です。

9月は「世界アルツハイマー月間」です。毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」とされ、認知症への理解を広げるための取り組みが全国各地で行われています。

認知症は、特別な誰かだけの問題ではありません。高齢化が進む地域では、家族、近所の人、買い物先、医療・介護の専門職など、さまざまな人が少しずつ関わりながら支えていくことが大切です。

今回は、認知症の早期サイン、家族の関わり方、地域でできる見守りと声かけについて整理します。


  1. 1. 認知症のサインに早く気づくために
  2. 2. 家族ができる関わり方と相談のタイミング
  3. 3. 地域で支える見守りと声かけ

1. 認知症のサインに早く気づくために

認知症は、

ある日突然大きく変化するというより、日常の小さな違和感から気づくことが多いものです。

たとえば、同じ話を何度も繰り返す、約束を忘れる、財布や鍵を探すことが増える、料理や買い物の段取りが難しくなる、慣れた道で迷う、身だしなみに無頓着になるといった変化が見られることがあります。

ただし、こうした変化があるからといって、すぐに認知症と決めつけることはできません。疲れ、睡眠不足、うつ状態、薬の影響、脱水、体調不良などでも似たような症状が出ることがあります。

大切なのは、「年のせい」と片づけず、変化が続いているか、生活に困りごとが出ているかを見守ることです。

厚生労働省は、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターなどを相談先として案内しています。気になる変化がある場合は、早めに相談することで、本人と家族の不安を減らし、必要な支援につながりやすくなります。

2. 家族ができる関わり方と相談のタイミング

家族が認知症かもしれない変化に気づいたとき、つい「さっきも言ったでしょ」「どうして忘れるの」と責めるような言い方になってしまうことがあります。
しかし、本人も不安や戸惑いを感じていることが多く、強い指摘は自信を失わせたり、受診や相談への抵抗につながったりすることがあります。

声をかけるときは、正しさを押しつけるよりも、安心して話せる雰囲気をつくることが大切です。たとえば、「最近少し困ることが増えてきたね。一緒に相談してみようか」「念のため先生に聞いてみようか」といった言い方で、本人の尊厳を守りながら支援につなげることができます。

また、家族だけで抱え込まないことも重要です。認知症の相談は、かかりつけ医、地域包括支援センター、市町村の高齢福祉担当窓口、認知症疾患医療センターなどで行うことができます。若年性認知症の場合は、専用の相談窓口もあります。

相談のタイミングは、「はっきり診断がついてから」ではなく、「生活の中で困りごとが出てきたとき」で構いません。早くつながるほど、本人の希望を聞きながら、今後の暮らし方を一緒に考えやすくなります。

3. 地域で支える見守りと声かけ

認知症とともに暮らすには、家族だけでなく、地域の理解と見守りが欠かせません。

近所で道に迷っているように見える方、季節に合わない服装で歩いている方、同じ場所を何度も行き来している方を見かけたとき、少し気にかけるだけでも大きな支えになります。

声をかけるときは、驚かせないように正面から近づき、ゆっくり、やさしく、短い言葉で話すことが基本です。「どちらまで行かれますか」「何かお困りですか」と穏やかに尋ねるだけでも、本人が落ち着くきっかけになります。急に腕をつかんだり、大勢で囲んだりすると不安が強まることがあるため注意が必要です。

地域では、認知症サポーター養成講座やオレンジカフェ、見守りネットワークなどの取り組みも広がっています。認知症サポーターは、特別な介護をする人ではなく、認知症を正しく理解し、地域でさりげなく見守る応援者です。

富山のように地域のつながりが残る場所では、近所の声かけ、商店や金融機関、交通機関、民生委員、地域包括支援センターなどがつながることで、安心して暮らし続けられる地域づくりにつながります。

認知症になっても、住み慣れた地域で暮らせること。そのためには、正しい知識と、あたたかい見守りが必要です。

まとめ

9月の世界アルツハイマー月間は、認知症について考える大切な機会です。

認知症は、早く気づき、早く相談し、地域で支えることで、本人と家族の不安を軽くすることができます。

家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターや医療機関、地域の見守りの力を活用しながら、認知症とともに暮らせる地域を育てていきましょう。

参考URL

・厚生労働省「認知症の日/認知症月間(世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間)」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/alzheimerday2024_00001.html

・厚生労働省「認知症に関する相談先」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00003.html

・厚生労働省「主な認知症施策」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00006.html

・認知症サポーターキャラバン「認知症サポーターの活動」:
https://www.caravanmate.com/activities.html

・公益社団法人 認知症の人と家族の会「認知症の日・世界アルツハイマーデー」:
https://www.alzheimer.or.jp/?page_id=155