【秋の感染症シーズンに備える介護】インフルエンザ・新型コロナ・肺炎を防ぐ基本
『とやまるっと』編集室です。
10月に入ると、朝晩の冷え込みが少しずつ強まり、冬の感染症シーズンが近づいてきます。
介護が必要な高齢者にとって、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症、肺炎などは、体調を大きく崩すきっかけになることがあります。
感染症対策は、流行してから慌てて始めるよりも、流行前の秋から準備しておくことが大切です。
今回は、在宅介護や介護施設で見直しておきたい、秋から冬にかけての感染症対策を整理します。
1. 秋から冬に感染症が増えやすい理由
秋から冬にかけては、気温が下がり、空気が乾燥しやすくなります。乾燥した環境では、のどや鼻の粘膜が乾きやすく、ウイルスへの抵抗力が落ちやすくなります。
また、寒くなると窓を閉め切る時間が増え、室内の換気が不十分になりがちです。人が集まる場所では、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などが広がりやすくなります。
高齢者は、若い世代に比べて免疫機能や体力が低下していることがあり、感染すると重症化しやすい場合があります。特に、持病のある方、食事量が少ない方、寝たきりに近い方、認知症があり体調不良を訴えにくい方は注意が必要です。
厚生労働省も、新型コロナウイルス感染症について、高齢者や基礎疾患のある方では重症化リスクが高まることを示しています。感染症対策では、本人の訴えだけでなく、周囲が小さな変化に気づくことが大切です。
2. 高齢者を守るために見直したい基本対策
感染症対策というと特別なことを想像しがちですが、基本は日々の生活習慣の積み重ねです。
まず大切なのは、手洗いと手指衛生です。外出後、食事前、トイレの後、介助の前後など、生活の区切りで手を清潔にすることが感染予防につながります。介護現場では、職員だけでなく、利用者さんや家族にも無理のない形で手指衛生を促すことが大切です。
次に、換気です。寒い時期は窓を開けにくくなりますが、短時間でも空気を入れ替える習慣をつくることで、室内にウイルスがこもりにくくなります。施設では、食堂やデイルーム、送迎車内など、人が集まりやすい場所の換気を意識したいところです。
ワクチン接種についても、早めに確認しておきたいポイントです。65歳以上の方には、インフルエンザや新型コロナ、高齢者肺炎球菌など、対象となる予防接種があります。高齢者肺炎球菌ワクチンについては、65歳の方や60〜64歳で一定の基礎疾患がある方が定期接種の対象とされています。接種時期や費用助成は自治体によって異なるため、住んでいる市町村やかかりつけ医に確認しましょう。
ただし、ワクチンは感染を完全に防ぐものではありません。接種に加えて、手洗い、換気、体調不良時の無理な外出を控えることなどを組み合わせることが重要です。
3. 家庭と介護現場でできる備え
在宅介護では、まず「体調変化に早く気づく仕組み」をつくることが大切です。発熱だけでなく、食欲がない、元気がない、眠っている時間が増えた、呼吸が苦しそう、会話がいつもと違うといった変化も、感染症のサインになることがあります。
高齢者は、発熱がはっきり出ない場合もあります。普段の体温、食事量、排泄、睡眠、表情を家族や介護職が把握しておくと、「いつもと違う」に気づきやすくなります。
また、かかりつけ医、訪問看護、ケアマネジャー、地域包括支援センターなど、体調不良時に相談する先をあらかじめ確認しておきましょう。夜間や休日にどこへ相談するかを決めておくと、急な発熱や咳が出たときにも慌てずに対応できます。
介護施設や事業所では、職員の体調管理も重要です。職員が無理をして出勤すると、利用者さんに感染を広げるリスクがあります。発熱や咳、強いだるさがあるときに休みやすい体制を整えることも、感染対策の一部です。
面会やレクリエーションについても、地域の流行状況や利用者さんの状態に合わせて柔軟に考える必要があります。感染対策を徹底する一方で、交流をすべて止めるのではなく、短時間の面会、換気のよい場所での交流、オンライン面会など、心のつながりを保つ工夫も大切です。
感染症対策は「制限すること」だけではなく、「安心して暮らし続けるための準備」です。秋のうちに、家庭でも施設でも体制を見直しておきましょう。
まとめ
10月は、冬の感染症シーズンに備える大切な時期です。
インフルエンザ、新型コロナ、肺炎などは、高齢者にとって重症化につながることがあります。
手洗い、換気、ワクチン接種の確認、体調変化への気づき、相談先の整理。
こうした基本を早めに整えておくことで、家族も介護現場も安心して冬を迎えやすくなります。
流行してから慌てるのではなく、秋のうちからできる備えを始めていきましょう。
参考URL
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00108_archive.html
・厚生労働省「新型コロナワクチンについて」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
・厚生労働省「65歳以上に実施している予防接種」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/years-65.html
・厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/pneumococcus-senior/index.html

















