『とやまるっと』編集室です。
新型コロナウイルスワクチンの接種が介護施設でも進んでいます。
介護施設では、普段から看護師が常駐している場所もありますが、医療行為という面において、医療施設と比べると慣れていないと言わざるを得ないと思います。
時折、ニュースなどでも生理食塩水をそのまま注射した事例などが報告されています。
まさか?と思われるかもしれませんが、先ほどあげた「不慣れさ」に加えて、集団で一斉に行われること、接種される側の認知面に不安があることなど、高齢者施設特有の難しさもあります。
この度、厚生労働省から注意喚起が降りてきています。
引用文献:
https://www.mhlw.go.jp/content/000800993.pdf
1. 発生件数と事案
先ほど、引用としてあげた厚生労働省の注意喚起文章によりますと、もっとも件数として多いのは、「①接種間隔の間違い、②不必要な接種、③接種量の間違い」
です。
①は10万回あたり0.133回、②・③は10万回あたり0.056回という頻度です。
集団接種の人数が多く、接種日を2グループ以上に分けていた場合に生じうるのと、同じ日に同じ人に2回打ったという事例が含まれているのではないか?と考えます。
高齢者施設では、
認知面に不安がある方もおられ、本人に接種日や接種の既往を聞いても曖昧になる可能性が十分あります。
③については、一部「バイアルから原液のまま」が含まれているのかもしれません。
また、血液感染を起こしうる間違いも10万回あたり0.099回という頻度で生じており、注射器をリキャップ(使用後にキャップをもう一度はめた)したことによる重大案件も生じています。
2. なぜ、生理食塩水のみの接種がおきた?
一見すると、「そんなこと起こるわけないじゃん!」って思いそうですが、厚生労働省の間違い事案を読むと、「ありうる」という印象に変わります。
ファイザー社製の場合、ワクチンの希釈が必要です。
希釈時に生理食塩水をバイアルの中にいれて、6本のシリンジに取り分ける作業をおこないます。
今回の事例では、ワクチンの希釈を行っていた人が、途中で交代し、交代後の人がバイアルの中に「ワクチンの原液がまだ含まれている」と思い違いをしたことにより、そのまま生理食塩水を注入し、6本にとりわけたものです。
もともと、
ワクチンの原液が含有されている液体が無色透明であるため、バイアルの内容物の存在をしっかり確認しないと、使用済みかどうかわかりにくいというのは、確かにあります。
実際に接種を担当する人は、渡されたものは正確に希釈、セットされたものであると考えているためここまでくるともう止められません。
確かに、ありうる事案でありゾッとしますよね。
今回の厚生労働省の注意喚起では、事故の原因とその対策についてまで触れられていますのでぜひ、参考にしてください。
3. 間違い事案における厚生労働省への報告義務
市町村長は新型コロナワクチンの接種の実施にして生じた間違いを把握した場合、以下のとおり道府県を経由して厚生労働省へ報告することになっています。
① 謝った用法用量で新型コロナワクチンを接種した場合や、有効期限の切れた新型コロナワクチンを接種した場合、血液感染を起こしうる場合等の重大な健康被害につながるおそれのある間違いは、速やかに報告
② 接種間隔のあやまりなど、直ちに重大な健康被害につながる可能性が低い間違いの場合は、前月分をとりまとめて15日までに報告
これらのことより、
介護施設は①であれ、②であれ、上記の間違いがあった場合には速やかに報告する必要がありそうです。
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