【予測】2026年介護報酬改定への展望

『とやまるっと』編集室です。

2024年の介護報酬改定では、訪問介護の一部サービスにおいて報酬が引き下げられるという、大きな転換点がありました。
これは介護業界全体にとって重要な影響を与えただけでなく、事業者や利用者に多くの課題を投げかけました。
本記事では、引き下げの背景や事業所の反応、さらに2026年改定でどのように改善される可能性があるかについて掘り下げて解説します。

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  1. 2024年の訪問介護報酬引き下げの背景
  2. 2026年の改定で期待される変更


1. 2024年の訪問介護報酬引き下げの背景


 訪問介護の報酬が引き下げられた理由は、 介護事業経営実態調査の結果で訪問介護の収支差率が全サービス平均を大きく上回っていたためです。

2022年度の訪問介護の収支差率は7.8%で、全介護サービスの平均である2.4%を大きく上回っていました。

この背景として、

(1) 介護保険財政の圧迫
高齢化が進む中で、介護保険財政の持続可能性が大きな課題となっています。特に、訪問介護の利用者が増加しており、その中でも生活援助中心型サービス(掃除や買い物代行など)の利用頻度が高く、保険財政にかかる負担が増大していました。このため、生活援助を中心としたサービスの報酬を見直し、効率化を進める必要があったのです。
(2) サービスの地域差是正
都市部では訪問介護サービスが集中して提供されている一方で、地方では事業所不足が深刻化しています。この地域格差を是正するため、一部の地域やサービスにおいて報酬が調整されました。
(3) 業務効率化の促進
ICTやデジタル技術を活用した業務効率化が進む中で、「効率化が可能なサービスは報酬を抑制する」という方針が取られました。特に、生活援助中心型の短時間サービスでは報酬の引き下げが顕著でした。

この改定により、 多くの訪問介護事業所が、生活援助中心型サービスの報酬引き下げにより、収益減少の影響を受けました。特に、中小規模の事業所では経営が厳しくなり、一部では廃業や事業縮小を選択するケースも増えています。

報酬引き下げによる事業収益の減少は、職員の賃金にも影響を及ぼしました。その結果、人材確保や職員の離職防止がさらに困難になり、現場での負担増加につながりました。



2.2026年の改定で期待される変更


2026年の介護報酬改定では、2024年の引き下げがもたらした課題を解消するための見直しが行われる可能性があります。以下のポイントが注目されています:

(1) 生活援助サービスの再評価と適正化
生活援助サービスは、高齢者の在宅生活を支える重要な役割を果たしているため、その必要性が再評価される見込みです。具体的には、利用者の生活実態に応じた報酬の引き上げが検討される可能性があります。
(2) ICT活用事業所への支援拡充
業務効率化を進める事業所には、新たな加算が追加されるとともに、ICT導入への助成がさらに強化される見通しです。これにより、事業所の収益改善と職員の負担軽減が期待されます。
(3) 地域格差の是正
地方での訪問介護サービス提供を促進するため、地域に特化した加算や助成金の導入が進むと予想されます。これにより、地方事業所の収益性が向上し、サービスの均等化が図られるでしょう。
(4) 職員の処遇改善
人材確保が引き続き重要課題であるため、「介護職員処遇改善加算」の拡充や、新たな賃金支援策が導入される可能性があります。特に非正規雇用の職員への支援が強化されることが期待されます。




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