いつも、『とやまるっと』をご覧いただき、ありがとうございます!
今回のコラムは、『ケアマネジャー』さんについて、です。
ん? 『ケアマネジャー??』『ケアマネージャー??』
この時点でつまづいている人は、この記事を読みましょう!!
介護保険を利用されている方であれば、ほぼ必ずと言ってもいいほど、関わることがある職種。よく、『ケアマネ』って呼ばれてる、あの人たち!
でも、実際にはどんなお仕事をしているのか、よくわからない人もいるのではないでしょうか?知ってみると、そのお仕事の重要さに驚かされます!
『これから介護の勉強をしたい!けど、とりあえず簡単にケアマネについて教えて!』
というかた、
『はじめて介護サービスを利用するから、知っておきたい!』
というかたも、ぜひご覧ください!
今日は、、居宅介護支援事業所『ふる里の風』の岩城さんにお話を伺います。
とってもフレンドリーでした。
フレンドリーすぎて一部文体に乱れがあるかもしれませんがご容赦ください。
注:本人、編集室とも、いたって真面目です。
居宅介護支援事業所『ふる里の風』
富山市上赤江町1-12-6
TEL:076-431-0158
FAX:076-431-0127
URL:http://www2.bbweb-arena.com/syuji2/
1. ケアマネジャーさんってどんな人?
介護保険法におけるケアマネジャー(介護支援専門員)は、法律上では、
「要介護者等からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう市区町村、サービス事業者等、医療機関との連絡調整等を行う者
であって、
要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの(法第七条第五項関係)」
と定義されています。
この文章では難しい感じでわかりづらいと思いますので、簡単に言いますと
何らかの障害で生活に困っている高齢者ができるだけ自立して生活ができるようにデイサービスやヘルパーさんや福祉用具業者さんや地域のサービス等を紹介、調整、サービスの効果(生活の問題が改善されているか?)を確認するお仕事です。
また、ケアマネには大きく分けて、『施設ケアマネ』と『居宅ケアマネ』があります。
『施設ケアマネ』は『特別養護老人ホーム』や『介護老人保健施設』『療養型』といった施設に入居されている要介護者様のケアマネジメントが仕事になります。
『居宅ケアマネ』は一般に在宅と呼ばれ、自宅で暮らしている高齢者さんのケアマネジメントが主な仕事になります。
ちなみに介護支援専門員をケアマネやケアマネージャーと表記することが多いですが、正式にはケアマネジャーで「ネー」と伸ばさないんですよ(*´Д`)
2. ケアマネジャーになるには?
ケアマネになるにはいくつかの受験資格が必要です。
国家資格(医師、看護師、介護福祉士、栄養士、柔道整復師など)を取得してから5年間の業務経験があることや、施設相談業務に5年間従事した等経験条件が有ります。
そして、年1回都道府県単位である「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し必要な研修を受講して初めて介護支援専門員証を頂くことになります。ちなみに、国家資格ではありせん。。。また更新制です。
更新研修がまた大変なんですよ、、、(。-_-。)
ちなみに、合格率はどんどん低下しており、昨年21回目の合格率は10.1%(全国)になりました。
富山県では445名の方が受験し、44名の方が合格されました。(9.7%)
合格率の低下は試験がより専門的な知識を求めるようになったとも感じられますが、受験者数が昨年の半分になっている点も気になります。
ケアマネになりたいと思う人が少なくなったのかもしれませんね。
3.ケアマネジャーの仕事って?
さて、ここからが、本題です。
ケアマネジャーのお仕事について、お話しします。
今回は、かなりざっくりとしたお話しです。
この記事で紹介できる以外にも、たくさんの仕事があります。
3-Ⅰケアプランの作成や給付管理
要介護高齢者に認定された方で介護サービスを受ける方はケアプランの作成が必要になります。
ケアマネはこのケアプラン(*1)を作成することができる資格です。
(ご自身でケアプランを作成する『セルフプラン』等もありますが、今回は割愛します。)
(*1)ケアプランとは?
簡単にいうと介護保険サービス(デイサービス等)を使い、自立した生活の継続や利用者様が抱えている問題や課題を改善できるようにする計画書のことです。
またこの計画書(ケアプラン)がないと介護保険が使えないのです。介護保険が使えないと、全額自費負担となってしまいます。(現在介護保険の自己負担額は本人、世帯収入により1~3割負担となっています。)
つまり、1割負担の方であれば、介護保険を利用した場合、1万円のサービスを千円の自己負担で受けることができるということです。
ちなみに要介護高齢者には、介護度別に保険給付をうけることができる上限金額というものが設定されています。
2019年度時点
給付管理とは、
各要介護に応じて、どの程度サービスを使えるのか?そのサービス内容を、どう振り分けるか?などを利用者様の意志のもと管理することです。
上記の区分に応じた、支給限度額(上限金額)を超えると介護保険が使えないため、全額自費サービスとなります。
例えば、訪問介護で20分以下のサービス(トイレ介助など)を受けて介護保険適応の場合は165円程度となりますが、全額となると1650円必要です。もし、全額自己負担でサービスを受けようとすると、デイサービス等は1日1万円必要な場合も出てきます。そうならないために、利用者様に限度額に応じたサービスを調整することが基本になります。
ここで注意点です。
医療保険と介護保険で使用される限度額という言葉には若干の違いがあります。
医療保険でいう限度額は、
医療費の支払い限度額(患者さんが支払うお金の上限額)をいい、これ以上の部分については負担金が基本的にはかからない
と考えてもらってもいいと思います。
介護保険でいう、限度額は、
利用者が、『負担割合(先ほど述べた1割から3割の負担割合)を適応できる、上限額』を指すことが一般的です。
これを超えると、自己負担が10割負担になります。
なので、介護サービスは『介護保険の枠内で』とよく聞くわけですね。
この他にもモニタリング作業や担当者会議等(詳細は割愛します)、様々なプロセスを得て、ケアプランは作成されます。またこの書類も非常に多いものです、、、。
3-Ⅱ利用者とサービス事業者の間の調整役
ここが一番やりがいのあるところかもしれませんね。
利用者様はお一人おひとり健康状態や生活背景が異なります。
それぞれの利用者様に応じて、どのようなサービスの組み合わせが適切か?を考えていく仕事です。
例えば、利用者様から、
「足腰が弱くなったので、リハビリがしたい!」
と、希望があったとします。
この場合にも、個々の利用者様によって、提案するサービスが変わります。
外出して運動がしたい場合には、デイサービス(*2)やデイケア(*3)を提案することになりますし、
周囲の人に見られずに運動がしたいという希望が強い場合や、外出や通所(通うこと)が難しい健康状態の場合には、訪問リハ(*4)等を検討することになります。
(*2)デイサービス:日帰りで入浴やお食事、機能訓練が受けられるサービス
(*3)デイケア:医師の指示のもと行われる、日帰りのリハビリサービス
(*4)訪問リハ:医師の指示のもと行われる、利用者様のご自宅に訪問して行うリハビリサービス
また、どのような動作に足腰の弱さを感じたのか?を本人や、ご家族にヒヤリングすることにより、
足腰の弱さにつながる原因は運動不足なのか?病気からくるものなのか?を考え、
医師へ相談することを提案する場合もあります。
他にも地域での生活に課題がある方の場合(身寄りがない独居で地域との関わりを好まない方など)は、地域の民生委員さんや地域包括や市とも連携し支援していくことになります。
ケアマネ自体は利用者様に直接的に送迎や介助などのサービスを行うことはありませんが、
上記のように必要なサービスの提案をしていくことになります。
サービスの種類としても介護保険内のサービスだけでは、利用者様のニーズを満たすことができませんので、最近では民間のサービスの活用の必要性が高くなっています。
しかし、なかなか民間のサービスというのは見つけにくいものですし、関わりが少ない分心配です。
まさに「とやまるっと」のようなサイトはケアマネにとって便利です。
アリガトウゴザイマース!!(編集室)
4.ケアマネジャーさんは、変更できるの?
ケアマネは対人援助のスペシャリストですが、残念なことにささやかなすれ違いなどから利用者様や家族様から不信感を持たれる場合もあります。
その場合は、非常に稀ではありますが、利用者様からの変更を希望される方もいます。
無理に付き合うことはないのですが、お医者さんと一緒で、長く自分と関わってくれたケアマネは、時に家族と同様なほどの情報を持つことになります。
利用者様のことをよくわかってくれている人がそばにいるということは社会的にもその利用者様の為にはよいのではと思いますね。
しかし、施設ケアマネ(特養などの施設)の場合は変更は難しい場合がありますので、各施設でご相談することになると思います。
5.ケアマネジャーさんの相談料金は?
ケアマネへの相談料金は、すべて介護保険での支給です。
よって、、
利用者さんの自己負担額は無料なんです!
ケアマネ1人に対して、利用者様の担当件数が40名以下の場合、ケアマネは介護保険から下記の報酬を頂くことになっています。
ただより怖いものはないと昔から言われます、、、、
が!!しつこいですが、怖いこともなく、利用者さんの自己負担額は無料なんです。安心してください。
しかし、現在の制度ではという条件付きです。
少子高齢化から医療保険同様、介護保険も今後の存続可能な為にはという検討が常に国会ではなされています。その中には「ケアマネジャーの相談料金の1割負担化」というものがあります。上記の金額で言えば、月1000~1300円ほど相談料金がかかるということでしょう。
そうなると、ケアマネジャーにも人気・不人気が生じたり、同じ料金でのサービス内容に不満がでるケースが生じるなど課題も発生するため、慎重に議論をしていただきたいものです。
6.最後に
ケアマネジャーは介護保険の中心的役割を担っていますので、介護サービスや行政サービス、民間サービス等の知識の他に傾聴スキルや医療の知識、他、障害福祉や生活保護、成年後見人制度等様々な法律などの知識も必要です。
そして、利用者様の課題に対して必要なサービス事業所等とチームを組み、全員で支援できる体制を作る力が大切になります。
とてもやりがいのある仕事ですし、責任も重大です。
また、利用者様とそばに寄り添えることでケアマネ自身が様々な勉強になり、勉強したものがまた他の利用者様や自分の為に役立ちますので、僕は素敵な仕事だと感じています。
困ったことがあれば、お近くのケアマネさんに相談することをお勧めします!
富山の高齢者・家族・介護者に役立つ情報ポータルサイト『とやまるっと』では、
皆様からの情報提供お待ちしています。
詳しくは、情報提供ページ をご覧ください。
情報お待ちしております!!!
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