もっと知ってもらいたい。アニマルセラピー

もっと知ってもらいたい。アニマルセラピー

いきなりですが、“アニマルセラピー”
耳に馴染みがある言葉でしょうか?

アニマル → 動物
セラピー → 癒す?
あっ、動物病院?

はい、大不正解です。
でも、私も、実はよく知りません。さらに、体験したことがありません。

今日は、そんな私たちに、アニマルセラピーについて、青山さんに、教えていただきます!

*この記事は、ご高齢者に対するアニマルセラピーを中心に作成されています

  1. アニマルセラピーって、なに?
  2. セラピー犬になるために
  3. アニマルセラピーの効果・影響
  4. これまでの活動は?​
  5. 危険性は?噛みませんか?​
  6. 動物が嫌いな人がいる場合は、どうしてるの?​
  7. 最後に

1. アニマルセラピーって、なに?

アニマルセラピーは、動物を使ったセラピー手法のことです。
医療従事者が治療の補助として用いる動物介在療法(Animal Assisted Therapy, AAT)と、動物とのふれあいを通じた生活の質の向上を目的とする動物介在活動(Animal Assisted Activity, AAA)に分類されます。AAAでは、イルカとのふれあいや乗馬などもふくまれます。



2. セラピー犬になるために

AATは医療に関わるためアニマルセラピストの資格が必要です。AAAは各協会で資格を設けているところもあります。
基本的には、

しつけができていること、人に触られるのが好きなこと、落ち着いて活動できること

などがあります。


セラピー犬になるために


3. アニマルセラピーの効果・影響​

“動物と一緒に過ごすとリラックスする、楽しい気分になるなど、心の動きや、それによる効果を医療に生かそう”というのがアニマル・セラピーです。

認知高齢者に対して、アニマルセラピーを実施した研究では、

笑顔や発話、犬への興味、活動量の増大がみられ、アニマルセラピーの実施は、日常生活の自立度やQOLの改善につながり、精神面においてもストレスの緩和やうつ状態の改善につながる

可能性が示唆されています(1)。

経済的にも、年間の1350億円以上の医療費削減効果が試算されています(2)。

実際に、私たちがご高齢者の介護施設にお伺いする活動では、

ペットが好きで久しぶりに触れ合えたと、大変喜んで笑顔になってもらえたり、撫でるために動かない手を動かしてもらったり

と、動物と触れ合うことで心と身体にいい影響を与えていられると実感しています。


アニマルセラピーの効果・影響

普段あまり感情を顔に出さないお年寄りが笑ってくれたり、犬を触るために動かない手が動いたり、スタッフさんが驚かれるような効果がよくあります。

また、子供を対象とした活動も行なっており、動物と触れ合うことで優しい気持ちと命の大切さを学んでもらえるいいきっかけになっています。



4. これまでの活動は?​

主に、ご高齢者の介護施設、幼稚園、障害者支援施設などです。

一緒に活動しているのは、犬がメインですが、たまに猫も参加することがあります。1度だけ、ウサギも参加したことがありますが、猫やウサギは場所が変わったりいろんな人に触られることにストレスを感じることが多いので、人間とコミュニケーションがとりやすい犬を連れていくのが一般的です。

これまでの活動は?

ご高齢者の介護施設では、自己紹介の後、犬を連れた飼い主さんたちそれぞれが利用者さんのもとへ行き、犬とふれあってもらいます。わんちゃんが好きな方には抱っこしてもらったり、体を撫でてもらいます。苦手な方は見ているだけのかたもおられますし、おしゃべりを楽しむ方もいます。いろんな犬種がいるので、30分ほどの間にみなさんに触ってもらえるようにまわります。

幼稚園や保育園では、犬と触れあってもらう前に、犬の豆知識や触り方などをレクチャーします。いくつかのグループにわかれてお話したあと、いろんなわんちゃんと触れあってもらいます。



5. 危険性は? 噛みませんか?​

もちろん犬は100%咬まないとは言えませんが、参加条件の第一に人間が大好きなわんちゃんとしているので、今まで1度も事故はありません。少しでもわんちゃんの様子がおかしければ、途中で休憩するようにしていますし、 利用者さんや子供の扱いで、犬が嫌な思いをしないように、私たちが気をつけています。活動が犬にとって楽しくなるように、おやつを使うこともあります。どんなにしつけが出来ていても、知らない人に触られることが嫌いなわんちゃんは参加できません。



6. 動物が嫌いな人がいる場合は、どうしてるの?​

多くの施設では、可能な限り、犬が好きな人に参加してもらうようにはしていますが、

もともと苦手な方や、大型犬を怖がる方もたくさんおられます。

犬が嫌いな人は咬まれるイメージが強いので、犬の顔を見せず、背中やお尻を撫でてもらうようにすると、ほとんどの方は最終的に触ってもらえるようになります。あとは無理に触ってもらうことはせず、お座りやボール投げなど、犬がちょっとした芸をしているのを見て楽しんでいただくこともあります。

私が連れているシェパードは大きくてかなり怖がられるので無理に触ってもらうことはありませんが、見るだけでも感動してもらえます。


これまでの活動は?


7. 最後に​

人も犬も楽しく活動ができることが1番です。
人が大好きなわんちゃんでも、たくさんの人に触られるととても疲れるので、時間は30分前後で負担がかからないようにしています。また、わんちゃんの体調が悪そうであれば休むこともありますし、週に1回以上は活動をしないようにしています。
私たちのグループのわんちゃんたちも高齢になってきたので、今は数ヶ月に1度のペースで参加出来る方、数名で活動を行っています。また今後、メンバーが増えれば、活動も積極的に行っていきたいと思っています


青山民
ジャパンケンネルクラブ公認訓練士
国際ペットビジネス学院
ドッグトレーナー講師
URL : http://lotta.pupu.jp
E-mail : babulotta@gmail.com

富山県内を中心に出張訓練、ペットショップやドッグランでしつけ教室を行っています。
訪問活動(アニマルセラピー活動)は、講師として働いている国際ペットビジネス学院の特別授業で生徒と訪問活動を行ったり、不定期で仲間と一緒に愛犬を連れて施設を訪れたりしています。
青山民



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